経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.049 協電機工株式会社(城戸昌子氏・城戸しの氏)

会社を強くするための改革のカギは価値観の共有と真似 協電機工株式会社(城戸昌子氏・城戸しの氏)

人を教えることで自分も成長する


日本ベンチャー大學 熊本校資料(右)

樋口:
続いて、日本ベンチャー大學について教えてください。まず、この組織の生い立ちや目的、御社との関わりを伺いたいです。

城戸しの:
日本ベンチャー大學は、もともとは4年前に東京で誕生したものです。当社の代表である藤本将行が立ち上げから携わり、年に3回講師として参加していました。その縁で、地方にも分校をつくろうという動きがおこり、藤本が手を挙げたという次第です。学生は無料で受講できます。
本校は東京にあり、大学を卒業した方、もしくは休学している方を対象に毎日授業をしています。しかし、分校はそういうわけにはいきませんので、就職や社会人になるための勉強会を週1回おこなっています。
熊本校を立ち上げのきっかけは、2009年から始めた新卒採用にあります。採用の時期が始まり、合同説明会に参加すると、女子学生が男子学生を引っ張ってくる様子や、男子学生がブースの目の前で自信がなさそうに尻込みしている様子を目の当たりにしたのです。また、単独で説明会を行う中でも、指名しても言葉がでない消極的な学生が多いことに気づき、このままじゃいけない、熊本の、私たちの周りにいる学生だけでも活躍してほしいという思いを抱きました。
また、熊本から県外に出る学生に、熊本の歴史を知り、もっと好きになってもらうことも目的の一つです。そのため、活動内容には歴史探索も含めています。そのほか、月に1回、経営者だけでなくお勤めの会社員の方からもお話を伺っています。

樋口:
大変な負担ですね。ボランティアですよね。

城戸昌子:
確かに、負担ではありますが、参加者の学生のあいさつが先月に比べ明らかに大きくなったのを実感すると、すごいなと思います。また、会議室の貸出など弊社のグループ企業から協力を得られるのも大きいです。

樋口:
今何名ぐらいの方が、通われているんですか

城戸しの:
男性3名と女性が1名の計4名です。一方事務局は3人名で、代表の藤本と私ともう1人です。私たちは学生を教える立場ではありますが、私たち自身もたくさん学んでいるんですよ。
最近事務局が代わったのですが、少し前までは新卒2年目の女性社員が担当していました。開校準備や学生とのやりとりは彼女の仕事です。つまり、中間管理職的な立場にいるわけです。私たちが上にいて、下に学生がいる。こういう環境で仕事をすることで、前年度上司や先輩に注意されてきたことの意味に少しずつ気付いたようでした。

樋口:
教えることで教わるということですね。若手社員にとっては仕事の基礎を学ぶことができ、また熊本県にも貢献する面白い試みですね。

城戸しの:
いろいろ試行錯誤しながら続けています。

樋口:
ありがとうございました。東京以外でインタビューするのは初めてですが、楽しかったです。熊本で新たな取り組みを次々行うことには苦労も多いだろうなと推察しますけれども、変化の時代ですので、経営者側がリーダーシップを持ってしっかり引っ張っていかないといけませんね。

城戸昌子:
そうですね。最終的にはいわゆる下請け構造から脱却したいと考えています。ゼネコン・サブコンさまの切るお手形は、回収に半年以上かかります。それだけを当てにはせず、自分で考え、お財布を開けてお金を払ってくださるエンドユーザー様を探し、ファンを集めるのが目標です。生き残っていけるのはその取り組みを行うことができた会社だけです。35~36人の社員と、そして、いろいろな業者さまと共にファンづくりをし、安定した経営を目指そうという過程です。まだまだこれから山あり谷ありです。

樋口:
本当に変化を楽しまないと生きていけない時代になりましたからね。

城戸昌子:
本当ですね。楽しくやらないと損します。私は60歳になりましたが、自分のやることがまだまだあるのは本当にありがたいことです。まずうつ病にならなくて済みます。若い人を見るだけで元気になります。

樋口:
今日は短い時間ですが、すごく楽しかったです。ありがとうございました。

 

 

CompanyData

協電機工株式会社

■会社名:協電機工株式会社
■代表者:藤本 将行
■所在地:熊本県熊本市中央区本荘4丁目1番1号
■URL:http://www.kyoden-kiko.co.jp/
■事業内容 :
 ・電気設備工事
 ・空調・冷暖房設備工事
 ・給排水衛生設備工事
 ・消防・防災設備工事
 ・省エネ関連事業