経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.040 アポプラスステーション株式会社(成岡英律氏)

個々が意志を持ったスタッフ集団でありたい アポプラスステーション株式会社(成岡英律氏)

CSO事業を中心に医療の未来に貢献するソリューションカンパニーを目指すアポプラスステーション株式会社。同社人事・総務部長 成岡英律様にプロフェッショナル集団として社員に求めることや、風土の変革についてのお考えを伺いました。


樋口:
はじめに、御社のビジネスについてお聞きかせください。

成岡:
当社ではCSO(Contract Sales Organization)事業や医療関係の人材サービス、MRの教育研修、薬局事業などをおこなっています。これらを通じて顧客で医療や医薬品業界に貢献できるベストパートナーを目指しています。4つの事業の中でも特に重きを置いているのがCSO事業です。現在の日本では「CSO=MRの派遣業」と認識されることも多いですが、マンパワーの提供だけではなく、マーケティングや営業・セールスに関するアウトソーサーとして、戦略目標の達成支援をおこなうのが本来のCSO事業のあり方です。ですから、当社ではそのようなサービスの提供を目指しています。

そうすると、社員の方もMRが中心なのでしょうか。

そうです。CSO事業のリソースとなるのがMRです。当社の評価はMRの派遣先である製薬会社様の支店や営業所の満足度で決まります。ですから、優秀なMRをいかに採用・育成し、各エリアで活躍する事が重要なミッションなのです。

先ほど現在の日本におけるCSOの認識は本来のものとは少し異なる、とおっしゃっていました。日本でのCSO事業の歴史はまだ浅いということなのでしょうか。

今年で12年目です。業界として成熟しているヨーロッパ、アメリカに比べれば、まだ山で言うところの3合目辺りでしょう。CSOの協会も今年の6月に立ち上がったばかりですから。今後いかに製薬業界でこのビジネスモデルの認知度を高めるか、いかに医療や医薬品業界への貢献度を高めるかも考えなくてはならない時に来ているのです。

これから日本のCSO事業も欧米に近い形に発展していくのでしょうね。

そうだと思いますね。ちなみに今は顧客との契約はヘッドカウントでおこなっていますが、これではMR人材の供給になってしまいます。しかし、本来のビジネスモデルに立ち返ると、顧客の業績にコミットすべきです。ですから、将来的には我々の位置づけも、契約形態もいかにお客様の目標達成や成長に貢献するか、というところに行きつくのではないかと考えています。


人材が最も大切とのことですが、どのような方が御社を志望されるのでしょうか。

CSO事業ではMRの有資格者や経験者はもちろん、異業種の営業経験者も採用しています。営業職で転職を考える場合、現実的なことを言えば、給与やステータス、将来の安定性などを検討するのではないかと思います。そのような指標で考えた場合、MRは他の営業職に比べて給与が高く、その点に惹かれる人も多いようです。また、MR資格を取得することもできますから、将来的に安心できるというのも魅力の一つでしょう。更に業界の成長性があることも当社を選ぶ理由の一つだと思います。ここ数年不況が続いていますが、医療業界は成長を遂げていますから。

営業経験者にとってMRという職種自体が魅力的なのですね。仕事を通じてどのようなことが身に付くのでしょうか。

一つは患者様のために、という想いです。その想いからMRとして適切な医薬情報を医師や医療関係者に伝えるんだ、という使命感や責任感が生まれます。あとは、自信ですね。もちろん他業界から医療という専門知識が多く必要な業界に来れば、文化や風習の違いに戸惑うこともあるでしょう。しかし、そこで成功することによって自分の営業スキルやポテンシャルには自信が持てるようになるはずです。実際に他業界出身者で活躍しているMRは数多くいますから、その点は励みになるでしょう。