経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.032 エノテカ株式会社(廣瀬恭久氏)

好奇心を持って、行動できる人間は伸びる エノテカ株式会社(廣瀬恭久氏)

1988年の創業以来、ワイン輸入商社として発展を続けてきたエノテカ株式会社。海外への出店も積極的に進め、成長し続ける同社代表取締役 廣瀬恭久氏に、採用やリーダー選抜の際の人材に対するこだわりを伺いました。

樋口:
最初に興味本位の質問で恐縮ですが、廣瀬社長は現在の職に就くまでに、どのような仕事をしてこられたのですか?

廣瀬:
私の父親がいろいろな事業をしており、小さい時から父親の後を継がないといけないという思いが強くあったため、大学を卒業して鉄工商社に勤めた後、父親が経営する半導体の会社に入りました。
その会社では営業を担当し、自分達の作ったモノを国内と海外に売っていました。電子部品の知識があまり無かったので苦労はしましたが、最低限の商品ごとの売るべきポイントを押さえればある程度売れたので、しばらく続けていました。
しかし半導体の場合、技術革新が早くて、常に設備投資をしていかなければならないということもあり、父親とビジネスの進め方、考え方が合わずに事あるごとにぶつかっていました。ファミリービジネスの限界を感じていた頃、我々の会社が持っていた特殊な技術を欲しいというある大手企業と出会い、我々の事業をお譲りする事になりました。その後は自分で仕事をやろうと決めました。
半導体のセールスのために世界中に出かけていた影響でワイン好きになったのですが、当時の日本のワインマーケットは価格が高くて、国際価格とは比較にならないような値段だったんです。このような状態のマーケットであれば新参者の私にでもなにかできるだろうと思い、ワインの輸入販売という仕事を始めたわけです。40歳の時でした。

本当に好きな事で、新しいビジネスを始めたのですね。

そうですね。半導体にはあまり興味がなく見本市に行っても辛かったのですが、ワインの見本市の場合は全然辛くないですね(笑)。

今現在、新卒を中心に採用しながら会社を作ろうとされている印象を受けたのですが、会社作り・組織作り・人作りという観点から、なぜ新卒を中心に採用されているのでしょうか?

学生だけではなく、やはり人は出会いだと思いますので、優秀な人材、当社にマッチする人材がいれば、どういう肩書きやどういうバックグラウンドであろうとかまいません。もし、弊社に興味を持ってくれているのであれば、どんな人にでも入社のチャンスはあります。
とは言いましても、今まで多くの方々を採用してきましたが、中途採用の方々は即戦力にはなりますが、やはり帰属意識や忠誠心と言われるような、会社に対する想いはやはり新卒社員の方が強いように感じます。他社の色に染まっていませんから、弊社の社風にすんなりと溶け込んでくれます。そういう意味で、新卒人材は大事だなと思いますね。

企業風土や想いのほうが、経験よりも経営をする上では重要だとお考えですか?

どのビジネスでも同じだと思うのですが、一番大事なのは経験よりも前向きな姿勢を持って切り開いていく、というスピリッツを持っているかどうかだと思いますね。

御社には理念やビジョンがおありだと思いますが、そういった会社として大切にしたい行動指針や価値観は社員の方々にどのように表現されているのですか?

私は実はあまりそういった事は言っていません。もちろん仕事を通じて本人に喜びを見つけていただきたいと思っています。人生の中でかなり長い時間をオフィスの中で過ごすわけですから、その時間をつまらないと思うよりは楽しく過ごしてほしいですし、その楽しいという気持ちは仕事に打ち込んではじめて得られるものだと思うんです。もちろん細かい事も言いますけども、やる気のある人達には年齢も性別も関係なく、チャンスが与えられる職場にしたいと常々考えています。