経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.032 エノテカ株式会社(廣瀬恭久氏)

好奇心を持って、行動できる人間は伸びる エノテカ株式会社(廣瀬恭久氏)

樋口:
お話しを伺っていると、社長は人を縛るのがあまり好きではなさそうに感じます。

廣瀬:
人を縛るのは好きではありません。ただし、我々はお客様と接するのが仕事ですから、「遅刻は厳禁」「身だしなみはきちっとしなさい」という基本事項にはうるさいですよ。

そうした社長の考えは、脈々と会社の中に流れているのでしょうか?

分からないですが、そうなってほしいとは思います。発想が自由だという考えはけっこう伝わっているとは思いますが、実態は私がどうかというよりも、周りに聞いていただいた方がいいと思います(笑)。

最後に、将来この会社を率いていくと考えたとき、どのようなタイプの人がリーダーに相応しいとお考えでしょうか?

我々は世界中のワインを取り扱っていますので、絶対に欠かせないのはインターナショナルな場面で認められる人間であることです。
インターナショナルな場面であっても、臆せずに自分を表現できたり判断ができる。それができれば、いろいろな事ができると思います。もちろんそれ以外にも指導者やリーダーとして備えておかなければいけない要素はたくさんありますが。

インターナショナルな場面での判断と国内での決断や決定とはどのような点が異なるのでしょうか?

世界のワイン業界にも大きな地殻変動というのがありまして、国内の状況だけを見ていて世界の流れを見落とすと、非常に大きな欠落をもたらす時があります。
現在、日本国内だけを見ていては我々のビジネスは成り立たない状態にきています。中国が購買力をつけてきて、一部のワインの値段は信じられないくらいの高額になっています。今まで日本人が普通に買っていたのに買えないんですよ、高すぎて。一方の中国では、その値段で購入し、飲んでいる人たちがいる。その辺りの事情をよく理解しておかないといけません。
我々も日本だけではなく、今までのノウハウを使って、東南アジア、もしかしたら、将来お膝元のヨーロッパでビジネスをするかもしれない。そういう事もあり、10年後、世の中の動きをきちんと把握して判断してほしいと思います。

そこにはかなりの専門的なスキルが必要ですね。

好きじゃなかったら成り立たないですね。でもそんなに難しい事ではないはずです。ファッションだとシーズンが終わってしまうと価値が低くなりますし、在庫は売れませんよね。逆に我々のワインというのは古くなればなるほど価値が出てきますので、在庫があっても怖くないんです。ですから私たちからすると、来年の夏、来年の冬のことを考えているファッションの購買担当の方は凄いなと思います。でもワインにしろファッションにしろ、好きであればそんなに難しい事ではないのではないかと思っています。

「好きだ」という気持ちや、熱意が仕事への姿勢に大きく影響するのでしょうね。ありがとうございました。

CompanyData

エノテカ株式会社

■会社名:エノテカ株式会社
■代表者:代表取締役 廣瀬 恭久
■設立:昭和63年8月31日
■所在地:東京都港区南麻布5丁目14番15号アリスガワウエスト
■URL:http://www.enoteca.jp
■事業内容 :
 ワインの輸入販売、卸売、小売、ワインショップ店舗運営、カフェの経営、通信販売