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経営と現場社員の目指すベクトルが合っているかが会社の強さ 株式会社アスリートクラブ熊本(池谷友良氏)

スタッフの育成につながる評価制度の導入が今後の課題

樋口:
今、評価制度を用いて賃金分配を明確にし、能力がある人や成果を出しつつある人に手厚く賃金を渡し、育てるというアメリカ的な制度を導入する企業が増えています。
社会的に心意気や一体感、理念の共有を重視する段階から成果主義に近い状況に移り変わりつつある中で、御社は現在どのようなステージにいらっしゃるのですか。

池谷:
理念の下、皆がまとまっている段階です。しかし、これからはそれだけではダメだろうと思っています。チーム自体は、しっかり成果主義なのですが、会社の中にはいまのところそのような仕組みはありません。 チームの場合、各選手はランキングがつけられており、試合への出場や貢献度、メディア露出などの項目でポイントがつくというシステムになっています。当然、ランキングの差により、選手は1試合に出場することへの評価が違ってきます。これらがシステムで整理されており、予算を入れると金額がはじき出されるようになっています。スタッフの評価についても、2年後に始まるJリーグクラブライセンスに合わせて、クラブの特性を含めたものに変えていこうという話が上がっているところです。
今難しいと思っているのは、成果の考え方です。チケットやグッズを一つ販売するにもすべての部署がかかわっています。営業のようなたくさんのスポンサーを集めるという一見わかりやすい仕事でも、中には営業担当単独ではなく役員とペアで営業をするケースもあるため、単純に金額を成果としてみるのは難しいのです。

それは難しいですね。個人個人に目標をつけて達成度で評価すると、不公平になってしまいそうですね。

チケットやグッズなど、個別の目標値を設け、その達成に応じて総合的に評価するというところに落とし込まなければならないと思います。

それでは、一人一人にどういう目標を割り振るかの仕組みを作るのは、これからというところですね。

そうですね。理想としては、会社の中でのしっかりした評価があって、その中で個々人が目標を達成し、最終的に賃金にも跳ね返っていくシステムを作ることです。ただし、実際に何を見てどう評価するのかは難しい問題で模索中です。