経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.044 株式会社リヴァンプ(澤田 貴司氏)

仕事を楽しむリーダーでなければ組織は活性化しない 株式会社リヴァンプ(澤田 貴司氏)

樋口:
なるほど。一スタッフの仕事をやっている時はそこが見えないですよね。

澤田:
本当に皆を幸せにしようと努力している人は、仕事の中で少しずつ、皆の為に何をすべきか気付いていきますし、そのための努力をします。常にお客さまですとか、現場の人の目線でいろいろな仕事をしていますね。
それを意識するとしないのでは、付き合う人も、時間の使い方やスケジューリングも変わってくると思います。それは見ていれば分かります。

そうですね。澤田さんがリーダーに対してこだわっていらっしゃるのは、周りの幸せのために努力しているかどうかということなのですね。

私がずっと言っているのは、「皆の一挙手一投足が、とにかく最終消費者の皆さんのハッピーにつながっているのかどうか」ということです。そして、「それを現場で支えてくれている現場の人たちが本当に幸せなのかどうか」。
加えて会社というのは、取引先の支えがあってはじめて成立しますから、『取引先が本当にハッピーかどうか。「何かあっても支えよう」と言ってくれるかどうか』もとても大切です。この3要素をバランス良く実現するために努力することが大事だ、ということを私はうるさくメンバーに言っています。
もう一つは、当社はまだベンチャーなので、「キャッシュマネージメントには細心の注意を払い、投資に対するリターンを絶対にマイナスにしない」ということもとても大切にしています。

採用も仕事のリーダーも、まずはやらせてみなければ分からないということですね。澤田さんのこだわりは、会社の中でも浸透しているのではないでしょうか。

かなりうるさく言っていますからね。実際に私が現場に行って、もし気になることがあれば全員を巻き込んで話をすることもあります。ただ、先程申し上げた視点は常々メンバーに言っていることですから、それは皆結構分かっているのではないかと思います。

収益や成長よりも、こだわりをなによりも大切にしていらっしゃるということですね。

もちろん皆にはいい給料を取ってほしいので、会社の収益を上げるためにそれはもうがむしゃらに頑張ります。ただ、理念が共有できないのに利益を上げても、私は全然ハッピーではないですね。理念の無い利益ならば極端なことをいうと要りません。つまらないんです。それでは仲間といい酒が飲めません。

いい酒が飲めないですか(笑)。少し別の観点からの質問させてください。先ほど「やりたい事をやってきた」とおっしゃっていました。実際のところ今どのくらいやりたい事をやれていらっしゃいますか?

かなり出来ていると思います。ただし、本当にこれでいいかどうかと言われれば、それは悩みます。自分が本当に何をすべきかについて、まだまだ模索しているところです。

では、澤田さんのそこが変わってくると御社も変わるかもしれませんね。

私は、基本的にあまり変わらないと思います。先ほどから申し上げている枠は変わることはありませんから。私は今、当社の社員と会社を100社作りたいと思っています。100人の経営者とそれぞれ最低100億ずつ売上を上げれば1兆円になります。1事業で1兆ではなく、100人の仲間とやりたいのです。

100人の仲間が、どういう人間かを大事にされているのでしょうね。

そうですね。結果として100億できればいいと思いますので、あるいは10億でもかまいません。結果は残したいですが、数字よりは良い仲間と共に良い仕事をすることのほうが大切です。

お話を伺っていると「やりたいことをやってきた」というお話が何度か出ましたが、ご自身が組織の中にいらっしゃったときには、今のように好きなことが出来ないことや我慢したこともあったのではないかと想像します。実際にはどのくらい自由度があったのでしょうか。

かなり自由にやらせてもらった方だと思います。伊藤忠では自分のアサインメント以外の仕事もずいぶんやりましたし、最後は周囲に無理だと思われるような仕事まで取りにいっていました。結果を出せば周囲も認めてくれましたし、社長直下の仕事もさせていただきました。それも枠にとらわれずにがんがんやっていましたので、ものすごく面白かったですね。社長室にも何回も飛び込みました。

そんなにやんちゃだったのですか!それは社風として許されていたのでしょうか。それとも社風を壊しながらされていたのでしょうか。

社風や上司はあまり気にしませんでした。自分が本当に正しいと思う事は実行しなければならないと信じていましたので、それを単純にやったということですね。それを結果として会社が許してくれていたのではないかと思います。