経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.031 株式会社RYコーポレーション(横山藤雄氏)

大事なのは、スキルよりもスタンス 株式会社RYコーポレーション(横山藤雄氏)

社員の夢実現と食を通じて人々を幸せにする「感動創造」企業を目指し、飲食事業を展開する株式会社RYコーポレーション。同社代表取締役 横山 藤雄氏に、価値観共有の大切さやその方法について伺いました。

樋口:
まずはじめに、横山さんが一緒に仕事をしたい、一緒に仕事をしていて楽しいなと思ったり、出来れば辞めないで残ってほしいなと思う人はどんな人材でしょうか?

横山
自社の採用基準は「スキルよりスタンス」を大事にしています。スタンスも色々あると思いますが、特に価値観の部分ですね。自分、両親に対してだったり、仲間に対してであったり、お客様に対してであったり、商品に対してであったり…全てに対する価値観をしっかりと共感、共鳴できる人材、もっと言うと「私が今まで生きてきた中での当たり前」と同等の「当たり前」の基準を自然に身につけている人材と一緒に仕事がしたいと思っています。

相手の言葉でいうと「オレがオレが」という社会性の無い人材はダメということですね?

そうですね。「オレがオレが」というのもある意味プラスに働く場合もあるので、一概にダメだとは思わないのですが、「オレが」というよりは「自分には何ができるか」と考えられる人と働いていきたいなと思います。

こうした考え方は社会経験を通じて形成されたのですか?

私の実家は商売をやっていて、昔ながらの厳格な父親や、祖父から厳しく育てられた環境の中で自然と幼少の頃から持っていました。

求められている共感性は、幼少の頃から備わるものなのでしょうか?

そうだと思います。弊社もそうですが、飲食業に入社される方は、将来自分のお店を持ちたいとか経営者になりたいといった志を高く持って入社される方が多いのですが、やはり商売人の下で育ってきた人や、商売をしていた人が身近にいた人と、そうでない人とではやはり違いますね。

話はそれてしまいますが、私も最近の若い人達の面接をする際、親のしつけに注目をしていまして、言葉は適切ではないのですが、理不尽な経験というか、「お前の考えはどうだ」というよりも「いいからやれ」と押し付けられた経験も大事だと思うのですがどう思いますか?

私もそういう経験は大事ではあると思います。

実際の最近の若い人達というのは、そういう状況に対峙した経験が少なく、社会に出てとても苦労したり、そういう状況から逃げてしまう人も多いと言われています。そういった中で、社会とのコミュニケーションというか、共感性が出来上がっている人材を見つけるのは大変ではないですか?

採用は大変ですね。「スキルよりスタンス」とはいえ、当然スキルが無い人よりはある人の方が良いです。我々にとっては即戦力が正直欲しいところですので、その中で価値観を兼ね備えている人材を登用していくことは時間がかかるし難しいことだと思います。

価値観の部分にはこだわるけれどもスキルのある人も欲しいなと。

そうですね。しかし、やはり最も重要視しているのは理念への共感とスタンスです。起業してまだまだ5年ですけど、スキルだけを重視して採用したメンバーに関しては、やはりどこかのタイミングで価値観にズレが生じてしまって、最終的には離職してしまったというケースがありますので、現在はあくまでも理念への共感とスタンスを重視して採用をさせていただいています。