経営者人事対談 > インタビュー記事一覧 > Vol.023 株式会社ECナビ(青柳 智士 氏)

株式会社ECナビ(青柳 智士 氏)

樋口:
少し質問の観点が変わってしまうのですが、そのような感度の高い優秀な人材を引っ張るリーダーとはどのようなタイプの人なのでしょうか。

青柳
様々なタイプのリーダーがいますのでひとくくりにはできませんが、大きく分けると論理的で、数字を使ってメンバーを引っ張っていく「ロジック派」と、面倒見がよく、情でチームをまとめ上げる「エモーショナル派」になるでしょう。ただし、どちらが良いというわけではなく、当社ではどちらも偏りなく登用したいと思っています。ただし気をつけているのは、登用したマネージャーのタイプを考慮し、そのタイプをフォローできるような人材を右腕として配置することです。たとえばロジックや数字には強いけれど、情に疎い人材がリーダーになった場合は、二番手に面倒見が良くエモーショナルでマネジメントをおこなうタイプを置き、チームとして戦えるようにします。事業それぞれは個人でなくチームでおこなうものですので、そのバランスには配慮するようにしています。

リーダーだけでなく、チーム全体の配置に気を使っていらっしゃるのですね。お話は変わってしまいますが、御社はオフィス作りに非常に力を入れていらっしゃるようですね。採用における広報的な役割は想像がつくのですが、実際に働く社員の方々にとっての効果はいかがでしょうか。

10周年を機にオフィスをリニューアルしたのですが、投資した価値は多分にありました。目に見えるわかりやすい効果としては、ゴミが落ちていれば拾う、テーブルが汚いと拭くなど会社をきれいに使おうという行動が見えるようになったことです。もう一つの大きな効果は、社員がオフィスの話題を通じて自社のことをお客様や知り合いに話すようになったことです。当社の会議室には一つ一つ意味があります。今話をしている部屋は段ボールでできた部屋なのですが、「集積」というテーマがあります。当社がこれまで積み上げてきた1年1年は集積であり、幾層も集まって強度を増していく、という考えから段ボールを使った部屋を作ろうと考えたわけです。このように経営理念を会議室に落とし込むために、会議室を構成する素材も一つ一つ厳選しています。このような工夫をすることで、お客様が会議室にいらっしゃる度に社員は自分の言葉で会議室について説明することになります。ですから、自ら繰り返し理念について語ることになるのです。またリニューアルしてからオフィスがドラマの撮影に使われるようになりました。ドラマを通じて自分の会社がテレビに出ていたり、自分の席が映っていたりすると、会社に対する愛着も自然とわいてきます。会社を好きになるということはトップダウンでできるものではなく、このようにオフィスや制度を通じて自然と浸透していくものなのです。ですから、このオフィスのように間接的なものを通じて宇佐美の想いを伝えていくことも大切だと考えています。

そう考えると、普通の「きれいなオフィス」という次元ではないですね。

世の中にはきれいなオフィスはたくさんあると思いますが、経営理念や経営者の想いを代弁したオフィスやストーリーを持ったオフィスはなかなかないのではないでしょうか。その点では当社は一歩先にいると自負しています。

オフィス自体も理念を浸透させる仕組みとして活用されているのですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

 

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CompanyData

株式会社ECナビ

■会社名:株式会社ECナビ
■代表者:代表取締役CEO  宇佐美 進典
■設 立:1999年10月8日
■所在地:〒150-0045 東京都渋谷区神泉町8-16 渋谷ファーストプレイス
■URL:http://ecnavi.co.jp/
■事業内容 :
 1.オンラインメディア事業
 2.リサーチ事業
 3.検索関連事業